書評

【書評】新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方-知的人生設計のすすめ

仕事イメージ

こんにちは、此町サンタです。

資本主義社会の中では、誰しもがお金をたくさん稼ぎたいと思いますよね。僕ももちろん(不安が解消できるくらいに)稼ぎたいです。

しかし、実際お金を稼ぐのは大変です。僕もサラリーマン経験5年間の中で、お金を稼ぐのってホント疲れるし、大変なことだなあとなんども思いました。

今回紹介する、『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方-知的人生設計のすすめ』では、この資本主義社会で人生の経済的側面をどのように最適化するか、を論じています。

それでは、書評をスタートします。参考にしていただけたら幸いです。

本書はkindleで読んだため、引用部分はkindle位置にて示します。

知識社会で生きるために

著者の橘玲さんは、現代社会を知識社会であると定義しており、知識社会では多量にある情報の中から有益な情報を探し出すことで近道を発見することができる、と言います。

「知識社会 」では、必要な情報を的確に入手し、それを活用する知識を有しているひとは、いくらでも近道ができます 。(kindle位置290)

現代社会はインターネットによって、誰でも安価に莫大な情報を手に入れることができるようになったので、ある意味誰でも有益な情報を得る機会はありますよね。もちろん、有益な情報と無益な情報を分別するリテラシーが必要になりますが。また、PCだけではなくスマホが普及したこともさらに情報検索機会を増やしてくれています。

また著者は、知識社会において、仕事のカテゴリーは3段階に分けられると述べています。

高度なテクノロジーに支えられた知識社会では、私たちの仕事は大きく3つに分けられます。クリエイター、スペシャリスト、マックジョブです。(3538)

クリエイターとは文字通り、何かを創り出す職業です。具体的には、アーティスト、ミュージシャン、小説家、脚本家、プロデューサーなどです。また、スペシャリストは何らかの専門的な知識を有し、その人にしかできない高等技術を持っている職業です。例えば、医者、弁護士、会計士、パイロットなどですね。そして、マックジョブは、専門的知識がなくてもできる職業で、他の人でも代替できる職業です。

読んでて面白いなあと思ったのは、この区分けには日本のサラリーパーソンが入っていないことです。これは、日本企業の慣習として企業内でしか通用しない知識(企業特殊技能)があるから、と著者は述べています。(3611)

確かに日本の組織は、昔ながらの官僚的なゼネラリストを育成する傾向にありますが、それはいい意味で捉えると、何でもできるスーパーサラリーパーソンを作る可能性がありますが、他の企業に転職する際の専門的な技術を磨くことはなかなか難しいかもしれません。

これからその慣習が多かれ少なかれなくなっていくのは明らかなので、どこでも通用する専門的技術の習得が、必須になる未来が見えます。筆者は知識社会においてはニッチな領域で専門知識を持つことにより、スペシャリストを目指すべきだ、と述べています。

自分だけのニッチを見つけ、人的資本を最大化する〝スペシャル (専門 )〟に特化し、会社に依存せずに市場から富を得る──知識社会に生きるとは、そういうことです。(3712)

自分が圧倒的な知識を持てる、ニッチでブルーオーシャンな領域を嗅ぎ分ける能力を磨きたいものです。また、それこそがまさに後述する黄金の羽根の一つです。

資産を増やすためには支出を減らす観点も大事

資産を増やすためにはどうすればいいのかという疑問に対する答えは、実はほとんどの人は理解していることです。すなわち、収入を増やし、支出を減らし、資産を運用する、ということに尽きます。

著者は、この3つの項目を日本社会において最適化する方法論を述べられています。まず最初にやるべきことは人的資本、つまりは自分に投資して、自分で収入を増やすことです。

資産運用の初期においては、金融資産に投資するよりも、人的資本に投資した方が合理的です。なぜなら、他人はあなたのために働いてくれませんが、あなたはあなた自身のために真剣に働くだろうからです 。(1014)

いきなり資産運用しようと思っても元手がないので、まずは自己投資をして専門的知識を付け、収入を増やすということは大事ですよね。

しかし、どんなに一生懸命に専門的知識を磨いても、収入が爆発的に伸びることはありません。どうすればいいのでしょうか。

では、人的資本に投資しても思うような成果を挙げられない私たち凡人は、どうすればいいのでしょうか?実は、ここにもちゃんと解決策があります。それは 、支出を減らすことです。(1052)

ここが重要ですね。僕もサラリーパーソンをやっていた頃は忙しすぎて、固定費を下げることにあまり熱心ではなかったのですが、お金持ちになるには支出を最大限に減らすことに着目すべきです。ではどのように支出を減らせばいいのでしょうか。

日本の家計の場合、最大のコストは住居費です。(1069)

住宅コストと並んでリストラ余地の大きなものに、生命保険があります。(1081)

住居費と生命保険について、まずは可能な限り削りましょう。特に都会に住んでいる方はとにかく家賃が高いので、よほど会社から補助が出ない限りは、多少不便でも郊外に住むべきでしょう。また、携帯電話も格安に変えルといいですね。

続いて、資産運用の基礎についても詳細に述べられていますが、本記事では省略します。気になる方はぜひ読んでみてください。

社会制度的な歪みから黄金の羽根をみつける

さて最後に、本書のタイトルになっている『黄金の羽根』とは一体どのようなものなのでしょうか。

一言で言うならば、社会制度的な歪みの中では情報強者が発生し、的確に情報を集めることができれば、大きな利益を得る可能性がある、ということです。

しかし、実はそのなかでひとつだけ、その気になれば誰でも利用できる歪みがあります。それが「社会制度的な歪み」です 。(1014)

例えば、支出の中で非常に負担が大きいものがありますが、なんでしょうか?サラリーマンの方は給与明細を見て嫌な気持ちになる、税金と年金・社会保険料です。

この税金と年金・社会保険料はサラリーマンの場合は源泉徴収されてしまいますが、自営業者の場合は適切に申告すれば、大きく節税することができます。すなわち、法人格を持って節税すること、これが黄金の羽根の1つですね。

そのための条件はただひとつ、自営業者(または中小企業の経営者)になって 「個人」と「法人」のふたつの人格を使い分けることです。(1014)

また一つ例を挙げると、現在において黄金の羽根として確実なものは、YouTubeです。企業はもちろんのこと、個人でコストをあまりかけずに動画をあげられることが出来、さらに広告も出せるため収益化することができる。いい方向に社会制度的な歪みが発生していますね。もちろんここでも、何がトレンドなのかを把握する情報収拾能力が半端なく求められますが…。今後、その歪みがどうなるかをウォッチすることがさらなる黄金の羽を見つけることになります。

こんな方にオススメ

現代日本社会を知りたい方、そして資本主義社会の中で有利に立ち回りたい方にオススメです。また、そもそも人生の経済的な側面について、本質的な知識を得たい方も勉強になるでしょう。

まとめ

以上、『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方-知的人生設計のすすめ』のレビューでした。本書を読むことで、社会制度的な歪みに着目する意識を持てたのが、最大の収穫だと思います。皆さんもぜひ読んでみてくださいね。