書評

【書評】新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング

アイキャッチ ライティング

こんにちは、此町サンタです。

良いブログを書くために、文章力を鍛える本を読みまくっています。その中でオススメの本として『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』をレビューします。

本書で面白いなと思った点は、『作文をプラモデル化する』『濁し言葉を取る勇気を』『レビューは自分にインタビュー』の3点です。

良いブログ記事をかきたい方、仕事で使える文章力を鍛えたい方、一緒に勉強してみましょう。

作文をプラモデル化する

文章を書く時、あなたはいきなり書き出していませんか?

読者にとって価値のある文章を書くためには、文章の設計図がある方が良いです。

著者の唐木氏は、作文をプラモデルに例え、文章を書き始める前に以下の作業をするべきだと述べています。

具体的には書き始める前に、「どんなことを伝える文章なのか」を定めておく(箱絵)、 「何を言うか」をトピック化して並べておく(パーツ)。「どれから」「どこを重点に」組み立てるかを決めておく(取説)。(P.23

例えば、私がこの書評を書くにあたっては、文章を以下のようにプラモデル化しました。

箱絵:本書の良かった3点を、このブログの読者にわかりやすく伝える。

パーツ:『作文をプラモデル化する』『修正したら必ず冒頭から読み返す』『濁し言葉を撮る勇気を』『伝聞表現は腰を弱くする』『スピード感をコントロールする』『レビューは自分にインタビュー』。

取説:『作文をプラモデル化する』『濁し言葉を撮る勇気を』『レビューは自分にインタビュー』の3つを具体的にレビューする。

その際、この書評を完読してくれる人はどのような読者であるのかを考えました(本書の目的は完読される文章)。

この書評を完読してる読者は文章力を鍛えたい方だと思うので、この本を読んでどのように文章力が上がるのか、また本書のどこに注目すれば文章力が上がるかを記述しようと心がけました。

ブログを書いている時、途中で筆がぱったり止まってしまう方は、重点的に『作文をプラモデル化する』作業を行うといいですね。

・『濁し言葉を取る勇気を』

ブログ記事を15件ほど書いて身をもって体験したのですが、ついつい『濁し言葉』(例として『達』『ら』)を使ってしまいます。すなわち、事実を正確に示そうとして、対象範囲が広い表現を使ってしまう、ということです。

これは決して悪いことではないのですが、文章の内容に対して誠実であろうとすればするほど、濁し言葉が増えて、読者が読みづらい文章になってしまいます。

この点について唐木氏は、『濁し言葉を取る勇気を』持つべきである、と述べています。

物事をほんとうに誠実かつ正確に伝えようとすると、必ず歯切れの悪い表現になります。(中略)全情報を羅列するか、濁し言葉でまとめるか、濁し言葉を削るか。それぞれの場合の、表現としての強度、事実に照らしたときの誠実さについて、考えてみてください。(p.104

書き手にとって最大の目的は、読み手にとってわかりやすく価値のある文章を書くことです。もちろん、最低限の誠実さを失ってはダメですが、思い切って断言することも良い文章には必要なので、徐々に歯切れの良い文章を書けるよう『濁し言葉を取る勇気を』持つことは重要です。

『レビューは自分にインタビュー』

本書で一番面白いなあと思った部分はここです。感想文やレビューに必要なのは、ズバリ具体的な主観的意見(+引用を含む事実)です。この具体的な主観的意見を引き出すために自分にインタビューしてみよう、と唐木氏は述べます。

取材のマイクを自分に向けて、自分が感じたことを収集していくわけです。(中略)自分ツッコミの結果、主観的な感想に根拠が与えられ、話題がどんどん深まっていきます。(p.190

例えば、書評について考えてみましょう。書評を書くためには本を読むことがもちろん必要ですが、それに加えて自分の主観的意見をうまく拾うことが大事です。

よって、本を読みながら自分が面白かった部分をマーキングすることと、なぜその部分が面白かったのかを自分に質問しながら書き残しておくと、良い書評の材料となります。これも立派なインタビューですよね。

自分にインタビューしながら本を読む。そのことが実践できれば書評の質が上がることは間違いありません。

・まとめ

以上、『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』でした。本書は文章を日常的に書く方には間違いなく良い勉強になります。具体的で役立つ文章の書き方が知りたい方はぜひ読んでみてくださいね。