こんにちは、此町サンタです。
仕事を爆速で終わらせたいのはみんな同じですよね。
今回はWindows95の設計に関わった伝説のプログラマーである中島聡氏の仕事術に関する書籍『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』の感想を書きます。
この本は僕の中でヒットです。今まで書評した中では、『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』の次に面白かったです。(まだ10冊程度しか書評してないので比較対象が少ないですが(笑)。
今回は本書の4つの点を考えてみようと思います。『スラックの重要性』『とりあえず発表して、後から修正する』『ビルゲイツの考え方(プレゼン会議)』『ロケットスタート時間術』。
それでは、スタートします。
スラックの重要性
この本の中で一番いいなと思ったのがスラックを持ちながら仕事をするべき、という部分です。スラックの定義を引用します。
みなさんがいつも「持っておけばよかった……」と後悔する余裕のことを、「スラック」といいます。スラックとはたるみ、ゆるみなどを意味する言葉で、転じて心理的な余裕のことを指します。(kindle位置323)
僕がサラリーマンだった時に一番辛かったのは、自転車操業になっていた時です。全くの余裕なし。毎朝職場に行くと対応しなければならないメールが100件あるとかですね。その状態はスラックゼロどころかマイナスの状態です。
それではスラックを持ちながら仕事をするというのはどういうことか。例えば、ブログ運営だったら、記事のストックを持つことでスラックができますね。あとは、午前中に1本書き終えることがスラックになります。また、月火でちょっと無理して5本くらい記事が書けたら、その週は大きなスラックを持ちます。
仕事をする際にこのスラックを持てるよう意識すれば、あなたの仕事は一気に改善するかもしれません。なお、仕事の量が半端ない場合は無理ですが…。
とりあえず発表して、後から修正する
仕事をやる上で、完璧なものを求めず、80%や90%でも発表してしまうことが大事である。この考え方は、他のIT系の著者も散々書いておりますが、重要なことなのでここでもう一度考えてみようと思います。
どんなに頑張って100%のものを作っても、振り返ればそれは100%ではなく90%や80%のものに見えてしまうのです。(位置432)
つまり最初から100%の仕事をしようとしても、ほぼ間違いなく徒労に終わるわけです。なぜなら後から再チェックすると、直すべき箇所が次々に見つかっていくからです。(位置436)
このパーセンテージの見極めはその業種にもよります。例えば人命が関わることだったら、慎重に100%近くまで高めなければなりません。しかし、多くの仕事はそうでなく、正確性よりも迅速性が評価されることがあります。
また、0から80%まで高める労力と、80%から100%まで高める労力とでは、後者の方が圧倒的に大変ですよね。
もちろん、ひどい完成度ではダメですが、とりあえず発表して、後から修正するというプログラミング的スタイルを自分の仕事に取り入れてみる、というのは悪くないはずです。
ビルゲイツの考え方(プレゼン会議)
さて、本書の著者である中島氏は、ビルゲイツ氏と一緒に働いた経験があり、その仕事観をいくつか紹介しています。
その中で僕が気に入った箇所がこちらです。
彼が参加するプレゼン会議では、発表者が発表をする時間は設けられません。彼のいうプレゼン会議とは、発表者との質疑応答の時間のことを指します。したがってスライドを動かしながら説明をするといったことはしません。資料は前もって送り、当日、質問を受けるだけです。これは究極の効率化です。(位置618)
会議の参加者に前もって資料を送って読んでもらい、プレゼン本番では質疑応答に集中する。このスタイルはアマゾンでも行われていることで有名ですが、ビルゲイツ氏がやっていたのは知りませんでした。
このスタイルはいいですね。もちろん新作発表会など社外へのプレゼンはこのようなことはできないですが、社内の会議では素晴らしく効率化が進むでしょう。個人でできることと集団でしかできないことを、上手く分けられたスタイルだと思います。
ロケットスタート時間術
さて、本書のメインディッシュである『ロケットスタート時間術』を考える時がついにやってきました。まずは下記の引用をお読みください。
仕事が終わらなくなる原因の9割は、締め切り間際の「ラストスパート」が原因です。(位置1276)
時間に余裕があるときにこそ全力疾走で仕事し、締め切りが近づいたら流す」という働き方です。(位置1301)
具体的な見積もりの仕方は、「最初の2日で仕事の8割を終わらせる」でした。(位置1305)
これが『ロケットスタート術』の内実です。まとめると、絶対にラストスパートをしないことが大事である。10日で納期が来る仕事については、最初の2日でその仕事の8割を終わらせることで、スラックができ、結果的に仕事の効率が何倍にも跳ね上がる、ということです。
例えば、ブログ執筆の話で恐縮ですが、1週間で7記事をアップしたい場合に、月曜火曜で5記事が書ければ、あとはゆっくりその記事を修正したり、残りの2記事をいいメンタルで書くことができます。
これが1日1記事ずつ書いてその日にアップというスタイルだと、全くスラックがない状態になってしまうので、精神的に良くなく、挫折する可能性が増します。毎日更新をするためにはやはりスラックを持てるような働き方が大事ですね。
まとめ
以上『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』のレビューでした。自分の仕事観を見直せる本なので、皆さんも是非読んでみてくださいね。
※プライム会員の方は無料で読めます。