書評

【書評】究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル

表紙

こんにちは、此町サンタです。

売れる商品を作るには、もちろんその商品の質が高いことが求められますが、それと同じくらい、その商品の宣伝・拡散が重要になってきますよね。

今回紹介する『究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル』は2000年に米国で出版されました。今ほどメールやHPなどのインターネット上のセールスはなかったため、セールスレターに特化しています。

しかし、セールスの文章に必要な構造はレターでもインターネット上でも変わらないので、Eコマースに従事している方やアフィリエイトサイトを運営している方には非常に参考になる本だと思います。

特に、全く自社商品を認知していない人にセールスするためには必須となる『人間の感情に訴える』という本質を付いているので、ぜひ紹介したいなあと思い、書評を書きます。それでは、レッツカムです!

提供するものを「しっかり」理解する。

何らかの商品を売る際に基本となるのが、その商品を理解することですよね。そして、その商品を買うと購入者はどのような価値を持つのか、と言う商品の利点を述べるのがセールスには必須となってきます。

もちろん、一見してよくわかる利点を盛り込むのは当然ですが、著者は『隠れた利点』に注目することで、コピーライティングの質を上げることができると述べています。

隠れた利点と呼べるものを探し出してそこを強調する。と言うことは、わかりきった利点や最初に思いつくような利点ではなく、しかもお客にとって非常に重要な利点ということ。(p.40)

例えば、リゾートホテルを宣伝するときに、ホテルや部屋の設備や内装を宣伝したり、近くに素敵なレストランやショピングモールがあると宣伝するのは明らかな利点ですが、そこから実は宿泊者にはダイビングの無料体験がついているとか、近くのゴルフ場を割引でラウンドできるなどの付加価値を示すことは、顧客にとって隠れた利点となります。この隠れた利点をしっかり探そうということです。

また、著者は提供するものの利点だけではなく、欠点をさらすべきだと述べています。

えっ、と思うかもしれないが、商品・サービス・オファーの欠点を明らかにすることは、売り上げ達成への大きな一歩となる。欠点を認めれば、手紙を読む相手が感じる疑問、不服、心配にイヤでも対処せざるを得なくなる。つまり信用を高めることにもつながるのだ。(p.44)

例えば、僕は『名探偵コナン』が好きですが、特に好きなのは初期の方なんですよね。それはひとえに、初期のコナン君は結構そそっかしいというか前作の『YAIBA』の雰囲気が残っていて、親近感を覚えるからなんです。また、アガサ博士の道具によって、小さな体という不利な条件を対処していくのも爽快です。

また、Webライターとして考えると、完璧な記事など存在しないので、不利な点もさらし、そこをカバーすることによって読者の信頼を得たいものです。確かに絶賛すぎる記事は胡散臭いですもんね。

価格を度外視させる三つの公式

さて、著者は価格を度外視させる三つの公式という名前でセールスライティングを説明していますが、これは価格以外のことに集中させる公式ということです。非常に参考になるので、順番に見ていきましょう。

公式1 問題提起あおる問題解決

私たちは、得することよりも、苦しまずに済む方を選ぶ傾向がある。それがわかれば、この公式1が信じられないほど効果的なのもうなずけると思う。(p.86)

人は必ずなんらかの問題を抱えており、その問題を解決するために商品を買います。だとすれば、その問題を丁寧に詳しく描写することによって、共感を得ることができます。また、その問題によって起こる不安やマイナスの感情を徹底的に描写することで、消費者と感情的にリンクすることができます。そしてそこが十分にできたら、問題解決を提示する、という公式でした。

公式2 予測

未来を予測する人々は私たちを強く引きつけて止まない。やり手のPRエージェントがこんなことを言っていた。「常にマスコミの注意を引いて宣伝するコツは二つある。予測することと、挑発することだ。」今年スーパーボウルで優勝するのはどこか、株式市場は次にどう動くか、いつ地震が起こるか、ニューミレニアムはどんな世の中になるか、などなど。(p.93)

スーパーボウルの予測が最初に来るのが、アメリカ人ぽくって面白いですね笑。Back To The Futureを思い出しました。

本屋に行ってビジネス書の棚に行くと、この予測を使ってセールスしている本がたくさんありますよね。それだけ、未来を知りたいと思っている人が多いからです。そのニーズに応えるために、予測を使ったセールスライティングを取り入れると、確かに価格を度外視できるかもしれません。

公式3 勝ち組・負け組

これはもう我々の意識の中にこびりついてしまっている潜在的なものですね。少なくなって来てるとはいえ、この勝ち組・負け組と言った区分けは非常に大きな力を持っています。実際の運用としては、ただただ商品の利点や欠点を説明するのではなく、この商品を使えばあなたは勝ち組になれる(負け組から脱却できる)ということをうまく説明するということですね。人間の心理をうまく使った作戦で怖さすら覚えます。

以上が『価格を度外視させる三つの公式』でした。本書に記載されている具体例は非常に面白いので、ぜひ読んでみてください。

こんな方にオススメ

営業を担当されている方や広報を担当されている方は非常に参考になります。また、店頭やインターネット上で商品を販売されている方にもオススメです。また、人間の購買心理を把握したい方も勉強になるでしょう。

まとめ

以上、『究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル』のレビューでした。これぞプロの技というセールスライティング手法が凝縮されているので、Webライターとして非常に参考になりました。皆さんもぜひ読んでみてくださいね。